美顔和紙誕生秘話

和紙工芸作家、野﨑ふしみさんが考案した「美顔和紙」は、和紙を扱う上で日ごろから行っているふっとしたことがきっかけで生まれた商品です。

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「驚き」からの発想した商品

 野﨑さんは和紙工芸作家として、和紙を水で濡らして張り合わせるなどの作業を普段から行っていました。ある日、趣味の油絵を描いていました。手に絵具が付いてしまい、そこに置いてあった和紙を水に濡らして拭きとったところ、落ちにくい絵具がきれいに落ちてビックリ!

「油絵具がきれいに落ちるのなら、お皿の汚れなどもとれるのかしら?」

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 それから食器はもちろん口紅、アイメイクなど、濡らした和紙でさまざまなものの汚れを落としてみました。結果は良好!野﨑さんは和紙の素晴らしさに改めて感動しました。ただの「紙」だけにとどまらない和紙は、野﨑さんの作品のような美術品や衣類にもなりますが、それとは違った使い道を発見したのです。

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 もともと、野﨑さんは湿疹などがでる肌が弱い体質。しかし和紙は天然の素材で作られているため、触っても肌が荒れることもありません。強くこすらない限り、和紙は肌にとても馴染み、やさしい素材なのです。そして和紙は日本家屋に欠かせない障子紙にも使われます。強い日差しを柔らかく、そして障子には庭の木立などの影がやさしく写ります。昔から和紙は日本人の生活にとっても馴染み深いものだったのです。

 和紙工芸作家ならではの経験と発想から生まれた「美装紙」。多くの女性から愛される、肌にやさしい美容品となっています。

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野﨑ふしみプロフィール

1942年、島根県安来市生まれ。69年、全国和紙ちぎり絵サークル主催で、亀井健三氏に師事。84年、島根県内で約20カ所「ちぎり絵」教室を開く。89年、東京都新日本美術協会本部展にて特選を受賞。93年、現代日本芸術協会設立にあたり、日本初の和紙工芸部門を設立、同協会副会長に就任。99年、株式会社ふしみアート・コーポレーション」設立、美装紙の商品開発にあたる。2000年、アメリカのワシントンD.C「女性芸術美術館」に登録。02年、韓国の釜山市で教室を開くなど、韓国伝統芸術振興会名誉理事などに就任。04年、「ふしみサロン ド ギャラリー」を開く。

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